訃報

2015年12月 4日 (金)

家具の大御所・長原さんが残したもの

全家連=全国家具工業組合連合会会長を務められた旭川の(株)カンディハウス相談役・長原実さんの逝去は、大御所を失った影響の大きさが関係者の間に今もなお衝撃となっている。
昭和10年上川郡東川町出身の長原さん、43年に旭川インテリアセンターを立ち上げ、今日のカンディハウスに社名を変更。情熱的に「家具の美学」「家具の世界」に身をおいて、家具職人、デザイナーとしての力量啓発の道を極めた。時代の需要に呼応する製品を考え、国内外に販売拠点を持つ、いはば本格派家具メーカーに君臨した。
地元旭川家具業界も「箱物製品の需要激減が見て取れる」との先見で、自社を脚物専門メーカーに転換。
旭川家具工業協組理事長として指導力を発揮し、地域業界を纏めてきた。この実績からのちに全家連会長に推挙されて、全国の家具業界に斬新な考え方を発信しつつ、国際家具デザインコンベンションを旭川での開催実現に尽力を結実させた。
長原さんは一貫してナラを主軸に広葉樹の魅力を唱い、北海道産広葉樹協議会会長として広葉樹材の付加価値利用に情熱燃やした「銘木市公開市場」生みの親・故髙橋丑太郎さんと共に『北海道広葉樹の将来展望を語る』フオーラムに、パネラーで参加。さらに米国広葉樹輸出協会が旭川で開催したアカデミックな「アメリカ広葉樹の諸課題と展望」フオーラムに家具産業界代表の一人として参加。帰するところ「素晴らしい広葉樹の真価を広める道は、そもそも教育から考えなければいけない」の持論を開陳する姿があったのは印象深い。
その論理にたって「ものづくり」に拘った80年の人生は、旭川に「ものづくり大学」の開学を熱っぽく語る晩年の言動をして、「地元をモノづくり王国に育てて欲しい」という遺志を託された著名な方もおられると聞く。
人材育成のためにと『人づくり1本木基金』を私財投じて創設されて逝った、異色の偉人・長原さんの存在感は、森林産業界にも語られる部分少なくはない・・・。
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「ものづくりは教育から・・・」が持論の長原さん
米国広葉樹輸出協会のフオーラムで。