講演会

2016年2月11日 (木)

特別講演「道産材のポテンシャル」・・・大勢が聴講

2月4、5の2日間、北大学術交流館で開催の北海道森林管理局主催・職員並びに高校・大学生、民有林関係者らによる「森づくり技術交流発表会」では、最終を飾る企画の特別講演会に大勢の聴講者が参集し、時のテーマに関心を深めた。
*演題・「道産材のポテンシャル~人工林材の材質特性と利用技術~」
*講師・北海道立総合研究機構 林産試験場技術部・大橋義徳主査。(※)
 
大橋主査は「北海道における人工林材の利用、木材産業の現状と課題を整理するとともに、人工林材の価値向上と利用拡大に向けた技術開発の事例を紹介しながら、人工林材の利用法と今後の活用の可能性を考えていきたい」として、講演の概念を次のように示した。
*林業・林産業の成長産業化が揚げられ、国産材利用の気運がたかまるなかで、国内森林面積の1/4に相当する森林を有する北海道~トドマツ、カラマツを中心にした人工林が成熟しつつあって、資源価値と利用可能性が高まっている。

*道内の木材自給率は50%を超えているものの、カラマツの主用途は産業資材、トドマツでは小断面建材の羽柄材や土木資材の利用が多い状況が続いており、背景には造林木の樹種特性と未成熟材部の材質特性、高断熱高気密住宅と過乾燥な室内環境、木材工業の生産品目と生産体制の独自性など、スギやヒノキを中心とする本州とは大きく異なる需給構造と利用環境がある。

*今後、トドマツ、カラマツともに大径材の出材増加が見込まれるなかで、持続可能な林業経営と木材産業の発展に向けては、これまでの用途・需要に加えて新たな用途開拓や付加価値の高い用途での需要拡大が重要となる。材質的にはトドマツとカラマツは国内の造林樹種としてはヤング係数が高く、特に成熟材部の材質は外国産針葉樹に遜色なく、構造材としての有用性は非常に高いと考えられる。

*これまでは未成熟材部の欠点克服が課題であったが、乾燥技術や接着積層技術の進展、大径材の優良な成熟材部の増大により、信頼性と寸法安定性に優れた材料供給の可能性が高まっている。道内でも中高層建築物への展開が期待される直交集成板(CLT)や2×4工法分野での道産材利用、公共建築物や商業建築での木造化・木質化の取り組みなど、新用途へのチャレンジも数多く進められている。
(※)講師プロフィール

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北海道大学農学部林産学科を卒業後、住宅メーカー勤務を経て林産試験場に勤務。道産材を用いた建築材料の研究開発と地材地消の普及促進に取り組む。農学博士。

国産材データ収集整備事業委員・構造用木材強度試験法検討委員・2×4製材規格基準検討WG委員・北大農学研究院流動研究部門招へい教員・CLTデータ収集検討委員・北海道森林管理局国有林材供給調整検討委員・道産木材利用検討委員・木造建築新技術に関する研究会委員など歴任。
  〈附記〉 講演のあらましは、改めて掲載の予定。